笑顔 -電車での出逢い-


そんな私に

「じゃあ…もう今日はいいよ!!」

明るくそう言ってくれた…

『えっ…!?』

「なんだか無理させてるみたいだし…そのかわりさ、君の連絡先教えてくんない?お礼は他の日にするから」

そう言って彼はズボンのポケットから携帯を取り出した。

『でっでも…』

「良いでしょ?お礼するための連絡先なんだから。お礼し終わったらちゃんと消しとくし…ね?」

ズキッ

消す…?

そうだよね…。

用が終わったらもう…

関係ないもんね…?

一気に心が闇に包まれた…

あふれだしそうな涙を

必死に必死にこらえる…

今の私にはそれしかできない…。

それさえも限界を迎えそうだから。