『なんです…か？』

戸惑いを隠せないまま彼に問いかける。

「えっと…あのさ…お礼さしてよ？その…君のおかげで助かったし。」

照れくさそうに人差し指で頬をかきながら笑顔で言う彼…

そんな顔もできるんだね？

きっと…いや、絶対に

くろべ君の彼女は色んな表情の彼を知ってる

そんなことを考えると自然と胸に痛みが走る

『大丈夫ですから。気にしないで…ください。』

薄ら笑いを浮かべてそう言うのが精一杯だった。