しばらくボーっと立ち止まったまんま動かずに

その光景を見ていると

水を運びにウエイトレスが来て…

1人1人に水を置いていくんだけど

あっ!!

彼の前に置く時にだけ

水をこぼしてしまっていた…

ここからじゃどんな会話をしてるのか分からないけれど

何やらウエイトレスは謝ってる様子で

彼の方も気にしないでと言ってるのか片手を上げて何か言っている…

でも…私の見間違いかな?

あのウエイトレスさんワザと水…こぼさなかった?

そう…私にはなんだかウエイトレスさんが

ワザと彼に水をこぼしたように見えた…

そんなことを思いボーっと立ち尽くしたまま

彼に水をこぼした場面を思い出していると

誰かにぶつかってしまった

『あっ!!ごめんね?大丈夫?』

そう言ってしりもちをついたまま座り込んでる私に手を差し伸べてきた…
この声…まさか…?

顔を上げると一瞬目を見開いた…

やっぱり…

そして思わず

『あっ…』

と小さく声を上げてしまった…

「ん?」

そう言って首を傾げる彼

マズいかな?と思い慌てて口元を手で覆うと

『なっ何でもないです!!失礼しました!』

早口にそう言って彼の手も掴まずに1人でに立ち上がり

その場を離れて香菜実たちのところに戻った…