笑顔 -電車での出逢い-


『ん~。まぁ。確かに…俺の彼女じゃねぇけど。』

スプーンでカレーのにんじんをつつきながら言うと

「じゃあ紹介してくれるよな!?」

明るい信吾の声が聞こえてきた。

カレーに向けていた視線を信吾に向けると

笑顔で目をキラキラさせていた。

まさに期待の眼差しみたいに…。

はっきり言って

『キモッ…』

視線を斜め下に下げてボソッと小さくそう呟くと

「おい!お前“キモッ”ってなんだよ!?失礼な奴だな!!」

不機嫌な顔をしてそう言ってきた。

って聞こえてたのかよ!?

どんだけ耳良いんだっつの!!

『地獄耳…』

ボソッと呟くと

「地獄耳じゃねぇし!!」

すかさず信吾からツッコミが…

いやいや。

真面目に地獄耳だろ!?

本当ハンパねぇな…(笑)