家に帰った。
家には父さんだけで未歩はいなかった。
夜になっても帰ってこない未歩。
俺は心配になって探しに行こうとしたとき、父さんに呼ばれた。
「大地、お前に話さないといけないことがある。」
そう言った父さんの目は真剣で横にいる母さんは少し震えていた。
「お前に本当のことを話さなくちゃならない。」
本当のこと?
「実はな…―。」
父さんから聞いた本当の真実。
俺の亡くなったオヤジのこと。
未歩のこと。
母さんたちのこと。
まさか本当の真実がこんなにも辛くて、父さんたちの愛のある話だったなんて。
「俺を憎んでくれて構わない。
でも、俺は決して大地の母さんを
“可愛そう”
それだけの理由で結婚したわけじゃない。
ちゃんと愛してる。
それだけはわかってほしい。」
父さんの優しいところは本当に未歩に似ているって思った。
「憎んでなんかない。
母さんを助けてくれて、愛してくれて本当にありがとう。
これからもよろしくお願いします!」
こんな恥ずかしい台詞、普通なら言えない。
けど自然と口から出てきた言葉。
父さんたち俺を抱き締めた。
家族愛を感じる。
嬉しかった。
真実を聞けてよかった。