好きなんて言えない



帰り際に鈴木さんが私達に言った。


「君たちはまだまだ若い。
同じ時を刻める人を大切にするんだよ。」


同じ時を刻める人…か。
その言葉は胸に優しく響いた。


「そういえば桜田さんは,どうして時計屋さんで働こうと思ったんですか?」


「なに,いきなり。」


「だって気になる!」


見た目からしたら絶対時計屋なんか似合わないもん。


もっとほかの道はあったはずなのに…