頭上を見上げてみると、黒髪の少年が羽を広げて飛んでいた
「学校行くのに羽を使うのは禁止だよ!!それにこの本すごく痛いんだけど!」
「…ごめん、でも君も羽を使うかワープをした方がいいよ。でないと学校間に合わない」
「え?」
「んー…簡単に言うと遅刻だね」
彼は微笑を宿した
「ち…こく?」
「そ、だから俺はしかぁーたなく羽を使ってるってこと」
「……」
やばいよ…私、まだ羽も小さいのしか生えてないし…ワープも使えない
「ど…どうしよ?」
「じゃ…ばいばい、本当急いだ方がいいと俺は思うよ」
彼はくしゃっと天然のかかった黒髪を掴んで、大きなあくびをした
こうなったら…自慢の足で…
全力疾走…!!!!

