月夜に悪魔-2-




頭上を見上げてみると、黒髪の少年が羽を広げて飛んでいた



「学校行くのに羽を使うのは禁止だよ!!それにこの本すごく痛いんだけど!」



「…ごめん、でも君も羽を使うかワープをした方がいいよ。でないと学校間に合わない」



「え?」


「んー…簡単に言うと遅刻だね」



彼は微笑を宿した


「ち…こく?」



「そ、だから俺はしかぁーたなく羽を使ってるってこと」



「……」


やばいよ…私、まだ羽も小さいのしか生えてないし…ワープも使えない



「ど…どうしよ?」


「じゃ…ばいばい、本当急いだ方がいいと俺は思うよ」



彼はくしゃっと天然のかかった黒髪を掴んで、大きなあくびをした



こうなったら…自慢の足で…



全力疾走…!!!!