月夜に悪魔-2-




「………生えてないの?」


「うん…」



私は申し訳なさそうに言う


「ん~…じゃ、つかまって」


そう言って、ミカエル君は私に向かって大きく手を広げた


「え!?」



「だってラミエル行っちゃったし…連れていくしかないでしょ?」


「いや…重いし……」



「重い…?」


そう言ってミカエル君は私に近付いてきて、フワッと持ち上げた



「いや、軽いよ…。天使みたいだ」



天使…??


「あ、ごめん。俺ら悪魔だったね」



いや…悪魔なの忘れてるし…



「じゃ、いくよ?」


そう言って私を抱えたまま、屋上から勢いよく飛び降りた



ぶわっとミカエル君の髪のけも勢いよく靡きだした