本の表紙をやわらかく撫でて、大事そうに棚へいれる。 それは、流れるように美しい動きだった。 横顔しか見えなかった。 でも、 伏せた睫毛からのぞく 澄んだ瞳に どこか淋しそうな その口もとに 私は何故か 泣きたくなるような衝動にかられた。