それに、呉夜さん、いま、わたしのこと、 「あんた」って言った。 いつも「木ノ下さん」ってさらりと呼ぶ彼が、わたしのこと、「あんた」って。 なぜだろう。 なぜだろう。 なぜだろう。 少しだけ、近づけたように感じてしまうのは、何故なんだろう。 なんて、こんな風に最近自分に問いかけることが多くなった。 呉夜さんと出会ってから、多くなった。