彼の瞳とかちりと目が合って、彼の澄んだ瞳に私がうつる。





それだけでまた、胸が音をたてた。





ずっと彼を見ていたいけれど、そんなこと私にはできない。





今だって、まだたった数秒の時間だけでも、顔から火がでそうなほど熱くてたまらないのだ。





気持ちを落ち着かせるため私の座っている席の近くにある大きな窓に視線を逸らした。





外はすっかり日が落ちて、薄暗くなっていた。





枯れ葉が宙をはらはらと舞っていて、外は風が強そうだ、とうんざりした。






今は、秋。





木々はいつも間にか、赤や黄色に染まって、頬を撫でる風も、また随分と冷たくなった。







彼と初めて会ったのは、夏。







それはそれは、ひどく、蒸し暑い日だった。