“ドサッ”カバンと共に俺の身体も地面に崩れ落ちた。

周りのざわつく声が段々と遠退いていった。
《オレ、死ぬのか?》
荒唐無稽な考えが脳裏を過った。そして暗闇に突き落とされた。

暗闇の中、何故か意識はあった。そして全く恐怖はなかった。
人は死ぬ間際、走馬灯を見るとよく言われるがそんなもの全く見なかった。

《走馬灯も見れないほどつまんない人生だったのか…まぁオレの人生そんなもんか…》
などとネガティブな意識に苛まれていると、

『あんたどうしようもないバカね…』

どこからともなく声が聞こえ、突然、目の前に光に包まれた美女が現れた。

『自分の人生が終わるかもしれない時に“こんなもんか…”しか言えないなんて呆れてものも言えないわ…あんたの“死”にはなんの価値もないわ。』

『はぁ?君誰?つか俺死んだんじゃねぇの?』

『まだその手前ね。まぁ詳しい話は後々するわ。とにかく今は仮死状態みたいなものと思いなさい。』

『はぁ…で、君は?』

『私はリナ。女神よ。』

『女神????』

そんなもん信じれるわけがない。いきなり現れて人を散々罵ったあげく、自分は女神だなんて言った彼女に俺は少し憤りを感じた。