遠藤君に話しかける勇気もなく、ただ見てるだけの日々。


情けないな、私‥



あたしと遠藤君は同じクラスだったから見る機会は多かった。それだけが唯一の救い‥


そんな時に‥聞こえてしまったんだ‥








「暁‐！！」

「おお、日向！！」

「んんんッ？！ちょっとちょっと‐暁君？誰だよ！まさか彼女かよ？！」

「あはは！！そ‐だよ！！暁と仲良くしてあげてね♪」

「うｫい！！暁のくせに生意気だな！この野郎‐」




遠藤君は‥望田さんと付き合ってたんだ‥


望田日向〔ﾓﾁﾀﾞ ﾋﾅﾀ〕
学年で１、２位を争うぐらいの可愛い女の子。


―――‥勝目がない‥。


けど‥遠藤君が好き。この気持ちは誰にも負けたくない‥


もう少し、距離を縮められたら。


話す機会も増えるのに‥。


もっと、遠藤君を知れるのに‥


私を、知って貰えるのに、


そう願うばかり‥