「葵が羨ましいな。」


「えっ?なにが?」


愛の発言の糸がわからなかった。


愛は宗くんとラブラブだし。


「毎日、愛の言葉を言ってくれてるでしょ?」


「あぁ〜。まあ。でも、宗くんだって愛が好きなんだって見てたらわかるよ。」


大和は、毎日私に『好き』と言ってくれる。


嬉しいけど私にはできないけどね。


宗くんは、目を見てるだけで愛が好きだってわかる。


愛にだけ優しい瞳を向けてるから。


「私は、言葉が欲しいの。」


「それは、宗くんに言って。私に言われても困る。」


「やっぱ葵ってクールよね。あの取り乱しが懐かしいわ。」


私と大和は、つきあい始めて3ヶ月は経つ。


取り乱したのは、3ヶ月前。


それ以降、そうなってない。


「どうでもいいじゃん。」


「たまにかわいい葵を見せないと大和くん飽きちゃうかもね。」


愛は、私にちょっと嫌味を言う。


さっきの仕返しだろう。


「別に。そんなんなら、それで構わないし。」


私の強がり。


「葵、素直になりなよ。ホントは、そう思ってないくせに。」


愛は、すぐに私を宥める。


「はぁ〜。大和は、私のこれを理解してるはずだし。だから、一緒にいるんだって思ってる。けど、わかってもらえないならいなくても同じなの。」


私は、席をたった。


「あ、葵?」


「帰る。」


ちなみに放課後で部活をしてる大和と宗くんを待ってた。


私は、愛を残して一人で帰った。


これを境に私と大和の関係がほんの少しだけ変わろうとしていた。