「羽璃!」


日向ぼっこをしながら、ボーとしていた私の名前を聞きなれた声が呼んだ。


反射的に体が動いて、席を立っていた。



「羽璃!喉が乾いた!」



教室の後ろの席で、周りをハデな人達に囲まれたその人は、机に長い足を伸ばし、私を手招きしている。



「…ん…」


小さく返事をして教室を出た。



たかがジュース…


たかが幼なじみ…



でも、足は急いで自販機を目指していた。