合宿・当日

 「今回の合宿では、丁度流星群の観測が出来そうなので皆さん、大いにがんばってくださいね~」

 合宿所の前。
 これからの注意事項なんかを沙雪がひとしきり話していたような気がするけど、私の頭には半分も届いていない。
 今日から二泊三日、先生と一緒だなんて考えたらもうワクワクしてふわふわした気分!それから先生の挨拶を聞いて、私の生まれてはじめての合宿はスタートした。

 天文部の合宿は、ほとんど夜が本番なので夕方までは機材のお掃除とか天体室のお掃除、資料つくりが主な作業だ。
 私にとっては初めてのことばかりで楽しくてしょうがない。
 先生の隣にさりげなく座って作業したり、夕飯つくりは沙雪と一緒に一生懸命作ってみたり。
 先生も食べるんだと思うと、なんだか嬉しくてしょうがない。

 夕飯を終えると本格的に活動が始まる。
 夏の夜空を見ながら、それぞれの観測を行う。

 先生に近づくため。
 そんな不順な動機で入部したけれど、最近はこうして星を見るのが好きになってきた。先生が熱くなっちゃうのもわかる気がする。
 私と先生の好きなゲーテに抱く哀愁みたいなものを感じたりもするのよね。

 先生に言ったら、どう思うかな?先生も、同じこと考えたり、してないかな…