さすが校長……
「いや、別に……分からない部分があるから教えてくれと言われたので教えていただけですが…?」
俺は同様を隠しながら話す。
嘘は言ってない。
ただ、隠しているだけだ……
しばらくの沈黙。
心臓がうるさい……
そして秒針が三回回ったとき、
「そうか。それならいいんだ。」
ほっとしたように校長が笑った。
その様子に俺もほっとする。
「それじゃあな。」
「はい。」
そして校長は去っていった。
俺は教室の先生が座るイスに腰掛ける。
「あっぶねぇ……」
はぁーっとため息がでた。
まったく。
なんで俺の周りにはこんなにするどいヤツばっかいるんだ……
夕日を見ながら沖田陸はそう思った。