春乃に封筒を返す。
そして俺は、歩きだす。

「待って・・・」
俺は、無視して前に進む。

「待ってよ。」
春乃は追いかけてきて腕を引っ張る。

「お前の気持ちを何度も聞いた・・・もう諦めてくれ!!」

「出来ないわ・・・アンタを本当に好きになったの。」

「俺は・・・自分が好きな相手とは、結婚しないし。好きじゃない相手を好きになれない。」

「・・・。」

「俺の気持ちだ・・・。何度の言うわせるな!!」
春乃は、黙って下を向いて今にも泣きそうだった。

「春乃。男は俺だけじゃない・・・。」
そして俺は、マンションに入りエレベーターに駆け寄る。

春乃の背中は寂しそうだった。