いざと言う時の為に、私は最近、多めの現金を持ち歩くようになっていた。

佐々木に無心される事、まるで予想しているように……。

そしてこの日、私は佐々木に20枚の紙切れを渡した。

切な海は…本当に深くて冷たい海…。

この頃佐々木は、美味しい物、高級な物は食べなくなった。

と言うより…いつもラーメン屋「麺食い」で、さっと食事を済ませたいらしく、たまには違う場所でゆっくりと…酒や食を楽しみたい私の願いを…受け入れようとしてくれなくなった。

佐々木との最近のデートに、私はある法則を見つけた。

ラーメン啜りパチンコ屋へ直行、佐々木が勝つと、お袋が待っているからとさっとそのまま帰る。

佐々木が負けると、そのままホテルへ行き、私を抱いてから、無心の言い訳をあれこれ出してくる。

そして私は、要求額通りのお金を渡す。

どっちに転んでも、私と会ったら佐々木は、金を持って帰れる仕組みになっている。

これ、絶対的佐々木の法則。