来る来る廻る



 はぁ? デート?

俺が…唾飛ばしのおかめと?

おかめは、垂れ下がった目を俺に向けて、尚、迫ってきた。

「欲しい物なら、何でも買ったげるわよ」

ちょっと待てよ…いい話じゃないか…。

美味しい獲物が、向こうからやって来た。

鴨が…ネギを、いいや鍋に箸までしょってやって来た。

ベルサーチの下着とアルマーニのスーツを引き換えに、俺はこの日、唾飛ばしのおかめと寝た。

それから週に一度のペースで、俺はおかめの体の上で仕事した。

誰にもばれなかった。

    それは
「おかめとひょっとこ」
   の秘密の情事。

情事重ねる事に、俺のポケットには高級道具が増えていった。

おかめは相変わらず、毎晩のように店にやって来た。

が…店内では直也の客だった。

それも、直也にとっては、毎月のグラフを支える大黒柱だった。

それが…良からぬ方向に行き出した。

前々から…情事持つ前から、おかめの熱い視線は気付いていた。

それが…ここの所…エッチの回数と比例するように、やけにひどくなってきた。

俺がどこにいようと、こっちを見てやがる、ヤバいじゃないか、このままいけば、秘密がばれてしまう。