●相田翔一●

一週間も店を休んでしまった。

現在来ているベビーシッターは年若く、ちょっと頼りないので、子供が病気の時は休まずにはいられなかった。

ようやく子供は熱も下がり、病気の峠は越えた。

客とはメール連絡していたものの、気持ちは子供に集中していた為、早く一週間分の休みを取り戻さなくては…誰かに…客が取られては一大事だった。

俺は、電話にメールに必死になった。

今日からまた張り切って頑張るとの事で…景気付けに、俺の上客、黒田幸子が同伴してくれる事になった。

財産家で、俺の一番のガマ口、体型はガマ蛙。

晩飯の約束7時…俺は時間より早く家を出た。

したい事があったんだ。

明日はリコのバースディーだったから、プレゼントを買いたかった。

せめてもの俺の気持ち。
誕生石は…ルビー、少々奮発して、ハート形のネックレスを買った。

これは、俺の真実だ。

だがリコ、お前がどう受けとめるかどうかはわからない、お前が信じようが信じまいが……俺の真実はひとつしかなかった。