「リコごめん、悪いんだけど…親父の容態急に悪くなって、今病院にいるんだ。今日はキャンセルって事で、今度ちゃんと埋め合わせするから、許してくれよ、なっ。今日は店も休む事になる。じゃまた連絡するから 翔」

私は、恋愛の仕組みをきちんと把握している。

これが、嘘かどうかもわかってるよ……。

でも、それは普通のパターンであって、これは例外恋愛…だから、その仕組みに当てはめる事は出来ない。

翔が、私を思ってなくてもいい。

嫌われてさえいなかったら、これでいいのよ、私は傷付かないから。

だって相手はホスト…自分に言って聞かせてみても、何度言って聞かせてみても……胸が痛い…痛いよ…。

翔…私…この胸の痛み取れないよ、どうにかしてよ…翔……。

何が親父よ! どうせあのガマ蛙か、着物マダムの呼び出しなんでしょ?

それとも、また違うカモが出来たの?

どっちにしろ、誰にしろ…その人より私は劣ってるって訳……負けたって事なんだ。