●吉田ひなこ●

深夜3時…佐々木からの電話…凄く酔っている。
  どうしたの?

あなたの身に何が起きたの?

  お母さんの事?

私はタクシーに乗った。
クラブ「クラシック」の片隅に、哀れな姿の佐々木を見た。

羽のもぎ取られた青い鳥…いつもの自信がスッカリ消え失せていた。

何が!誰が!この人を傷付けたの?

私は、その青い鳥を抱きしめた。

フラフラの佐々木を支え、その店から出た。

取り敢えず寝かせてあげたい…ホテルのベッドまで、やっとの思いで辿り着いた。

そっと布団をかけてやり、寝顔をじっと見る。

どうして?どうして私には、こうも我が儘弱者を守らねばならない運命にあるのかしら?

運命と言うよりも、自ら選んだ?

何はともあれ、傷を負った青い鳥が、今、私の視界にいる。

いいえ…もしかしたら、すがり付いているのは私の方?

私は、強者を気取った超弱者?

その内に睡魔が襲ってきて、私も横で眠ってしまった。


どれくらい時間が過ぎたんだろうか…ハッと目が覚めた。