死生系譜

「大丈夫っすか!?」

俺はその姿を見て、焦った

俺らよりも先輩の方が疲れているのはわかっていた

先輩に何かあったら、探すどころじゃないだろ?

「この程度でこんなに疲れるなんて…歳かな」

ははは…などと頭に手を乗せ自嘲気味に笑っていた

多分、ここ数日まともに寝てなかったのだろう

恋人が行方不明で今の状況だと明日には死んでいるかもしれないんだ…

まともな神経の持ち主ならこうなる、だろうな

殺されるのがわかってて黙っていられるはずがない

それも、目も当てられない程無残に切り刻まれるのがわかってて

もし恵子や皆が…いや、止めておこう