意地悪彼氏





ほっぺたをぷぅーと膨らませて言うあたしに、裕也が「別に頼んでねぇし…」とまた憎まれ口を叩いたのをあたしは聞き逃さなかった。




『む!誰がさっきまで付きっきりで看病してあげてたと思ってんのさ!!』




「え?…付きっきり?」




『そーだよぉ?
保健の先生が用事で帰っちゃったから、あたしが見といてあげてーって言われて。

…まぁ途中からあたしも寝ちゃってたんだけど;』




「寝てたのかよ…」




『う、うるさいなぁー。いいじゃんやる事なくて暇だったんだから!!』




「うん…ありがとな。
なんか最近迷惑ばっかかけててごめん…」





う……なんか…今日裕也すっごい素直…。


熱のせいかな…?





でも…こっちの方がいいかも♪



なんて心の中で考えてたら…





「柚?どした?」



裕也が急に黙り込んだあたしを不思議そうに見ていた。




『あ、いや!…ただ、なんか裕也にしては素直な発言だったから♪』




「なっ!…お、俺だって礼くらい出来るわ!!」