意地悪彼氏





『裕也っ♪鞄取ってきたよ!帰ろっ♪』




裕也に鞄を渡しながらにこっと笑って言う。




「…おぅ」








…………

学校を出てから、裕也を家まで送ろうと思ったあたしだったんだけど…

裕也の家がどこにあるのかなんて知らないあたしは、さりげなく裕也の行く方向に足を合わせながら歩く。






「…お前、家こっちだっけ?」




『ううん、違うよ?
心配だから一応家までついて行こうと思って!』




「いいよそんなの…」




『よくないよぉ!
また倒れたりしたら大変でしょ??』




「別に倒れたりしねぇし…」




『もう!いいから行くよ?!』



そう言ってあたしは裕也の前を歩き出す。







「おい、俺んちそっちじゃねんだけど」




『え?…あ、ごめんごめん;』



あたしはへらへらっと笑ってまた裕也の横に戻る。





「ったく、知らないくせに前歩くなよ……」




『あー!せっかく人が心配してついて来てあげてんのに、そんな言い方するんだぁー!』