あたしはチラッと裕也を見る。
裕也は眠いのか机に伏せた状態で顔だけを上げてうとうととしている。
『ゆ、裕也?』
「ん〜?」
うわっ本当に眠そうだな;…
『あ、あの…そのね?
えっとぉ…「教科書の事だろ?」
あたしが言いにくそうにしていると、裕也が私の言葉を遮ってすっと体を起こした。
『う、うん…』
「で?やっぱり借りる人居なかったんだ。」
『;………』
「まさかそれで今更俺に見せてなんて言うんじゃないだろうな?」
私が頼もうとしてる事分かってるくせに…
悪魔だぁ〜
『裕也ぁ〜』
「なんだよ。」
『その……きょ、教科書を………』
「教科書を何?」
『……見せて下さい。』
「やだ♪」
『なっ!?
お願いっっっ!!』
あたしは顔の前で両手を合わせて必死に頼んだ。
けど…
「やぁだ♪」
裕也はにっと笑うとまた机に伏せた。
