「陵から見たあたしって…こんな顔してたんだ…」
こんなふうに、笑ってたのかな。
あたしはその絵を持ったまま、もう1枚の紙を開いた。
「…婚姻届、って…
ほんと、バカじゃないの…?」
婚姻届には、すでに陵の名前が書き込まれていた。
「気早いよ…陵」
ほんと、バカ。
―――だけどね、陵。
「…ありがとう、陵。
大好き。これからもずっと、ずーっと。
――最高の、記念日だよ」
あたしは最後に、ちゃんと笑顔を見せることが出来たかな?
最後に、あなたが描いた『あたし』のような笑顔を、見せることが出来たかな?
あたしの指には今も、あなたとの思い出が輝いているよ。
ねえ、陵。
あの時言えなかった言葉、ちゃんと伝わってるかな?
また会えたら――今度はちゃんと、伝えようと思うの。
「陵、愛してるよ」
[完]

![[新連載]君への想い、僕らの距離。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.787/img/book/genre1.png)