4年目の贈りもの[短編]



『綺ちゃん、これ…』




その時、陵のお母さんがあたしに小さな紙袋を差し出した。

グシャグシャで、ところどころ破れてしまっている。




『これ、…綺ちゃんにだと思うの。


最後の最後まで――陵が、大事に抱き締めてたから…』




その言葉に。
思わず、涙が溢れそうになる。

手を伸ばし、紙袋を受け取った。


震える手で、紙袋を開く。



紙袋の中には、小さな箱と封筒。
そして――MD。


小さな箱を、開くと。




「…指輪…」




箱から取り出して付けてみたら、あたしの左手の薬指の大きさにぴったりで…




「なんで…?
あたし陵に、指輪のサイズなんて教えたこと、ないのに…」




ねえ、どうして?

言ってくれなきゃ分かんないよ、陵…