運命の弄び

……ここに来るのも一週間ぶり。
饅頭、団子から始まって様々な駄菓子が所狭しと置かれている店内の風景。
駄菓子の甘い匂いと、
むきだしの柱の木々の匂いとが合わさって、
独特の匂いが漂う。
昔から全然変わってなく、
どこか懐かしい、そして優しいこの雰囲気が俺は好きだ。

脇を抜けてカウンター内へと入る。

「……大変だったね。
元気出すんだよ?」

「はいっ。
こちらこそご迷惑をおかけしました」

「何言ってんのっ
困ったときはお互い様。
それよりも、零二くんもあんまり無理しないようにね?」

「はい、ありがとうございます、薺さん」

薺さんの明るい励ましは、身に力が入る思いだ。
力強い笑顔が相手に元気を与えてくれる。

「ところでもう大丈夫なの?」

「はい、今日からでも働けますっ!
ばしばしこき使ってやってくださいっ!」

「よし、良い返事だっ……と言いたいけど。
今日はいいよ。
それよりも……」

「?」

薺さんが言葉を区切る。
そしてカウンターの奥の住居スペースに目をやる。