まゆは普段はおとなしくて真面目で、
ノリ行動のもっちーの抑え役なのだが、
たまに意地悪な子悪魔のような女になる。
いわゆる曲者というやつだ。

「二人とも嫌い。絶交よ」

真希が拗ねるようにぽつりと呟いて再び机に顔を埋める。
その様子を見たもっちーとまゆが必死に宥めているようだが、
真希はぷいっとそっぽを向いている。

「零ちゃん♪」

「んあ、美奈先生?」

そんな情景を眺めていると、
美奈先生が俺の席にやって来た。

「どうだった?今日一日は?」

「はい、何とか普通に過ごせました」

「そう、良かった。
何か力になれることがあったらいつでも言ってね♪」

「はい、ありがとうございます、美奈先生」

それだけ聞いて満足した、というように笑顔を返して、
真希たちに一言、二言挨拶をすると教室を出て行った