運命の弄び

素朴な零二の疑問に当然答えられるはずもない。

てゆーか、
あんたが変なこと聞くからいけないのよっ!

……って言えたらどれだけ楽か……はぁ。

「なんでもないわよ」

なんか、自分が馬鹿みたい。
なんでもない、と口では言いつつも自虐的に笑うのだった。
それを見た零二以下三人は、
怪訝そうに互いの顔を見合っていた。
あたしは零二と何年付き合ってる?
こんなことでいちいち心を乱していたら身がもたないつーの。

「はーっはっはっはっはっはっは!!」

突如、
場の雰囲気というものに、
正面からロケット弾を浴びせて完膚無きにまで粉砕させるような、
世にも轟く猛笑いが後ろから響き渡る。

そっか……、
零二の帰りを心待ちにしていたのは何も私だけじゃなかったわね……。

「その声は……大掛布崎 列道っ!」

「ふふふ……、
さすがだな。
俺の名前をフルネームで呼べるのはこの界隈ではお前ぐらいであろう」

「いや、むしろ覚えやすかったけどな