運命の弄び

「……だから、
世話になった人の気持ちを無駄にしないためにも……、
姉さんたちに心配させないように……、
俺はこの家で力強く生きていくよ。」

俺は変わらずこの家で暮らしていく意向を示した。
その事自体、
俺のわがままだし、
誰かのサポート無くして実現できないことだが、
快く俺の意思を尊重してくれた。
俺はそれに人生をかけて応え、
また絶対に途中で投げ出しちゃいけないんだ。
それがみんなに少しでも恩を返す事に繋がることだと信じている。

「親父、母さんの家……、
そして姉さんが必死に護ってくれたこの家を、
今度は俺が護っていって見せる」

家族との思い出が詰まったこの家。
少なくとも俺が生きている間は、
それを大切にしていく意味でも護っていきたい。

「俺、頑張って生きていくから……温かく見守ってくれよ?」

それだけ言うと、
俺は手を合わせて家族に祈りを掲げる。
いつか……いつか俺が逢いに行くとき、
胸を張って再会できるよう決意を秘めながら。