運命の弄び

「ちなみに真希、
一言……言っていいか?」

「へ?」

てっきり居間へと姿を消したと思っていた俺が入口から顔だけ出すと、
不意を突かれるように目を見開く真希。
……うむ、
真希の居間のその姿を見てどうしても一言、
箴言しておきたい。

「そのスカートの丈でそういう座りかたすると、
イケないものが見えるから気をつけろよ~~♪」

「………っ!」

言われた真希がふと自分の姿を見るなり、
顔がかぁーっと紅潮する。
……真希は子供の頃から俺の家を第二の実家の如く出入りしているため、
結構こういう風に気を抜いてしまうことが多い。
慌てて飛び出すロケットの如く直立する真希。
前を両手で押さえながらこちらをきっ!と睨み付けてくる。

「ま、俺は朝から縁起のいいもん拝めて御の字、
だけどな~♪」

「っっっっっっぶぅうあかぁれいじぃぃぃいいいっ!」

「瑞沢零二、任務完了!
これより戦線より緊急離脱するっ!」

烈火の如く猛り狂う真希に身の危険を感じた俺は、
やるべき事はやった、
とばかりに再び居間から座敷へと向かった。