運命の弄び

あの年がら年中、
頭の血管切らしてそうな(その大半の原因はおそらく我に有り)幼なじみが真希。

俺のことをすぐに馬鹿呼ばわりし失礼極まりない。
幼稚園からの付き合いという腐れ縁で、
お陰でお互いに良いところ悪いところを知り尽くしている。

近頃ではこうして真希が何故か激昂し、
俺がそれをのらりくらり避わしている感じだ。
昔は馬鹿なんて言われようものなら、
目に目をということで、
文句を言い返していたがある理由でやめた。
それについては今は語るまい。


……制服に着替え終えた俺は、
申し訳程度に歯をしゃかしゃか磨き、
今度は水道水を手につけて叩き付けるように顔を洗う。

「くぅう……顔が凍る…」

冬であれば水が冷たいのも摂理。
痛いぐらい冷たい水が、
たるんだ顔と心を引き締めてくれ、
眠気眼を完全に覚醒させてくれる。
ついでぼさぼさ寝癖頭を水で直して、
曲がりなりにも形だけは整えた