運命の弄び

がちゃっ

鍵を開けてドアをゆっくり開くと、
隙間からすぐに外の鋭い空気が俺の身体から体温を抜き去る。
やれやれ、
この地方の宿命とはいえ、
冬の朝はやっぱり億劫だな。

…やがて扉が全開すると、目の前に幼なじみが立っていた。

「おっはよ♪ れいじ……ってぇぇえっ!!」

そして俺の姿を見るなり、眉を吊り上げて赤面する幼なじみ。
相変わらず、
表情の変化が頻繁なやつだぜ。

「どうした、
近所迷惑な声出しやがって」

「どうしたじゃないわよっ、
なんて恰好してんのよっ!」

「へっ?……のわっ!」

赤面したまま目を反らしている幼なじみの言葉に従って、
自分の姿を見ると、
なんとシャツにトランクス姿だった。
年頃の女に見せる姿ではないな。
下手したらセクハラだ。

「と、とりあえず上がって待っててくれ」

目を反らしてそっぽを向いたままの幼なじみを取りあえず、
玄関先に入ったのを見届けると、
俺はシャツにパンツ一丁で洗面所へ走った。