運命の弄び

過去の悲しみの連鎖。

お葬式は親類と親しい間柄のみで厳かに行われたが、
ついにその間零二は一言も発しなかった。

その心中は察して余りあるが、
その悲しみは日々円満に暮らしている私にはおそらく解らないだろうと思う。

だから私はこの一週間、零二に様子を見に行くとき以外、
積極的に会おうとせずそっとしておくことにした。

会って慰めの言葉をかけたところで、
家族を失ったことも無い私のその言葉は所詮上辺だけにすぎない。

そのかわり私に出来るサポートは積極的に行うことにした。
学校の授業内容をまとめたレポートやプリントを届けたり、
お弁当を作ったりもした。