『ははは、
そうそう、お前はそれぐらいがお前らしいよ』

「何よ……もぅ」

なんか立場が逆転したみたいじゃない……。
でも、
自虐感に苛まされていた私もいつの間にか笑っていた。
なんか……気持ちが一気に晴れたかな……。

『……んじゃ、切るよ。
また明日な』

「うん……おやすみ、零二」

つー……つー……

私の言葉を最後に電話は切れ、
電話の向こうではただ一定の間隔で呼びだし音が鳴り響いていた。
すこし物寂しさを感じながら私も電話を切った。

そしてそのままぱたっ……とベッドに横たわると後ろ髪が放射上に広がった。
名残惜しそうに携帯電話を見つめる自分の姿がそこにある。


アイツ……元気そうだったな。


……足元に転がるエアコンのリモコンのスイッチを足の指で押して、
エアコンが止まったのを確認して枕に顔を埋めた。