運命の弄び

顔を膨らます私。
せっかく電話してきたんだから、
もう少し話したっていいじゃない……。
さっきの言葉はあんたの用件を早く聞きたかっただけで……はぁ。

「まぁ、細かい事なんていいじゃんっ
ちょっと話そうよ♪
こうしてゆっくり話すのなんて久しぶりなんだからさっ」

『あ、ああ……俺は別にいいけど……お前はいいのか?
身体が冷えるぞ?』

「うんっ、
大丈夫、大丈夫♪」

私は明るくそう応えながらエアコンのリモコンのスイッチを入れた。
ちょっと夜更かしになっちゃうけど、
まぁ、たまにはいいよね。

……その後、
私と零二は歩いて数分の距離にありながら、
お互い携帯電話を耳にしながらくだらない世間話に花を咲かせていた。
……といっても、
私が一方的に話していただけで、
零二はただそれに耳を傾けてくれていたようだった。
……いつしか私は零二の迷惑も考えずに思い付くかぎりの話題で、
場を繋ごうとしていた。