「もしもし?」

『あ、俺、零二だけど……今、大丈夫か?』

「うんっ、
今、ちょうどお風呂からあがったところっ!」

私は笑顔で電話に応えて、そのまますとん、とベッドに腰掛けた。
電話の向こう主は、
瑞沢零二(みずさわれいじ)。
私の家の二軒隣りに住んでいる私の幼なじみで、
歳は同じ十七歳。
三歳の頃、幼稚園で出会って、
それから小・中・高校とずっと一緒だから、
もう付き合いは十五年くらいになるのかな?

「ふふ、あんたにしちゃあタイミングいいじゃない?」

『はは、そうだな』

「それで、どうしたの?
あたしに何か用?」

……正直、
向こうの声が元気そうで内心、ホッとしていた。
『傷』が癒えるのはもう少し先かな?
って思っていたから。