運命の弄び

「……したらいいの」

私は平伏したまま呟いた。
ミューズは聞こえたのか聞こえていないのか黙っていた。

「どうしたらいいのっ?!
零二と結ばれないなら私は何を目標に生きたらいいのっ!?
零二がいない未来なんてあたしにとっては嫌味でしかないっ!
私にとっては零二が全てなのぉぉおっ!!」

咆哮をあげるようにミューズに思いの丈をぶつける。
そんな私の叫びを前にしても全く動じないミューズ。
すると、
今度は今までのような弱者を見下すような嘲笑ではなく、
どこか……優しい感じのある笑みを浮かべる。

こんな顔が出来たんだ……。

素直にそう思った。

『……いいわ。
惚れ直したわよ、千歳真希』

「え……?」

『あなたのその狂気ともいえる想い……。
あなたは愚かではあるけれど、
そこまでの想いは普通の人間にはそうそう抱くことは出来ないわ』

狂気……。
何とでも言うがいい。
私は過去も現在も、
そしてこれからも、
この想い無くして生きてはいけないのだから。