……と、
ここまでの話はミューズが一方的に話したことだが、
それを全て真実として受け止めている自分がいた。
ミューズとは初めて会い、
何者と知れない謎の人物であるはずなのだが。
やはり自分という人間の本質を、
確実にミューズによって射ぬかれていたことと、
ミューズの圧倒的空気の支配力、
まるで二つの果てなき奈落の双眸に魅せられてしまったかのように。
『確かにあなたたちの十五年のキャリアは大きい。
でもあなたはそれに依存するあまり、
時を無駄にしてしまった。
それ故にそのキャリアは失われつつある。
このままだと、あなたと想い人は結ばれることは永遠に無いわ』
「う……嘘……っ」
『あら、
私の言っている事が嘘でない事をあなたが一番感じているのではなくて?
くすくす……』
得意の嘲笑を浮かべるミューズ。
でも、
それだけは信じたくなかった。
私とあいつが結ばれない?
そうしたら、
この先私は何を生き甲斐に生きていけばいいのか?
私の存在意義が否定されてしまう。
ここまでの話はミューズが一方的に話したことだが、
それを全て真実として受け止めている自分がいた。
ミューズとは初めて会い、
何者と知れない謎の人物であるはずなのだが。
やはり自分という人間の本質を、
確実にミューズによって射ぬかれていたことと、
ミューズの圧倒的空気の支配力、
まるで二つの果てなき奈落の双眸に魅せられてしまったかのように。
『確かにあなたたちの十五年のキャリアは大きい。
でもあなたはそれに依存するあまり、
時を無駄にしてしまった。
それ故にそのキャリアは失われつつある。
このままだと、あなたと想い人は結ばれることは永遠に無いわ』
「う……嘘……っ」
『あら、
私の言っている事が嘘でない事をあなたが一番感じているのではなくて?
くすくす……』
得意の嘲笑を浮かべるミューズ。
でも、
それだけは信じたくなかった。
私とあいつが結ばれない?
そうしたら、
この先私は何を生き甲斐に生きていけばいいのか?
私の存在意義が否定されてしまう。
