運命の弄び

『……あなたは一から十まで疑問が解決できなければ何も行動を取れないの?
……あなたがそんな生き方をしているから、
いつまでも愛する人に振り向いてもらえないのではなくて?』

「なっ!……な、なにを……!」

ミューズの言葉に何とか言い返そうとするも、
私の言葉は続かなかった。
ミューズの言葉は鋭い刃のように私の心を突き刺していたのだ。

『ふふ……っ、
あなたは相手の気持ちが解らなければ、
前に踏み出すことが決してできない臆病者。
致命的な弱い心の持ち主。
普段のあなたの気の強さはそんな弱い心を隠すためのペルソナ。
真のあなたはどうしようもない臆病者で小心者よ……』

「う……うるさいっ、
な……何を知ったような……ことを……」

私は言葉を返そうとするがその口調は弱々しくなるばかり。
ミューズの言葉の一つ一つがことごとく私の心の的を得るように、
串刺しにしていったのだ。
一突き一突きされるごとに激痛が走る、
一種の言葉の拷問。