運命の弄び

「あなたは一体……?」

同じ質問を繰り返す。

ミューズのもつ瞳から、
少なくとも、
私と同じ世界に住む人間とは明らかに違う。

『……ふふ、
私が何者なのか……それはあなたが気にする必要は無いわ。
まぁ、この空間の支配者……とでも思っておきなさい』

確かにこの奇怪な空間の中において、
今や全く陰りを感じさせないその圧倒的な存在感は、
少なくとも自らとは次元の違う存在であり、
この空間の支配者である……というミューズの言葉は本当なのかもしれない。

「じゃあ、この空間は何なのよっ!
私をこんなところに連れて来てどうしようってのよっ!」

……正直、
いろいろな負の要素を抱えている私にたいして、
それを嘲笑うかのような口調に私も徐々に声を荒げていく。

『……お黙りなさいよ』

「……っ!」

しかし、
ミューズの冷たい表情はぴくりとも変化を見せない。
むしろその笑みは不気味さを増すばかりだ。

その笑いに思わず身じろぐ。