運命の弄び

『あ、ああ……。
ま、まぁ、あんまり深い意味で捕らえんなよ?
……約束は約束だけどな』

うん、わかってるよ。
零二だって、
いざというときは私を助けてくれる。
支えになってくれる。

私たちいつもそうやって一緒に育ってきたもんね。

でも聞きたいことは……別の事。

「それは……やっぱり幼なじみだから?」

ちょっと零二の核心をつく質問だと思ったけど、
今なら、
そして多分、今しか聞けない。
そんな質問だった。

『え?
それってどういう意味だよ』

「言葉通りだよ」

『それが分からないから聞いてんだよ』

……だよね。
鈍い零二くんには分かりやすく言わなくちゃ駄目みたいだわ。

……でも、
それは今まで聞こう、聞こうと思って聞けなかったこと。

私が自分の気持ちに気付いて、
ずっと聞きたかった事。

今日この日に、
聞くことになるとは思いもしなかったけど、
あたしみたいな不器用な女じゃ、
この機会を逃したら多分二度と聞けない。


……私は意を決した。