運命の弄び

鳴咽を漏らしながら必死に強がる自分。
涙が止まらない。
胸に溜まった零二の言葉が思いとなって溢れる感じ。
零二に聞かれるのも厭わずにただ泣き続けた。

『お、おい、真希っ!
なんで泣いてんだよっ!』

零二は零二で電話の向こうであたふたしている。

「うるさいっ!!
馬鹿っ!!ひっく……
鈍感っ!!
嬉しいから泣いてんのよっ!!」

『そ……そうなのか?』

零二は『なんで怒ってんの?』
という感じで、
電話の向こうでつんのめっているに違いない。

いいよ、分かんなくて。
でもあんたの感謝の気持ちは私に通じたから……、
私はそれが、
それにあんたが元気になれたのが何より嬉しいんだから……。
だから黙って泣かせてよ。
本当に……本当に嬉しかったんだから……。




「……ぐす、ごめん。
もう落ち着いたから大丈夫」

『ん……そうか?』

それから数分。
私はようやく泣き止んだ。
一度、電話を切ろうとも思ったけど、
零二も泣き止むのを待っていてくれた。
あーあ、
こいつに泣かされるなんて思わなかったわ。