運命の弄び

『……お前の姿を見て、
お前の弁当を食べて元気が出るようになって……、
そして早く元気にならなきゃって思ったんだ。
真希の気持ちに応えたくて……』

……一週間前の零二を思い浮かべていた。
最初は見るのが辛いくらい、会うのが苦痛なくらい、悲壮な姿だった。
あの時は正直私も逃げ出したかった。

「れ……零二」

でも、
零二を本当に放っておくことなんて出来ない。
誰かが支えてあげなきゃっ……とそう思った。

『お前のいつも通りの声や振る舞いが凄く励みになったよ。
……最後は俺の方が真希の声を聞きたくなったぐらいだ』

私が支えなきゃっ！
そう考えに至ったとき、
もう逃げようなんて思わなかった。

最初は煙たがられようと、零二を精神面で支えられるのは自分だけと信じた。
だから、
どんなに時間がかかっても絶対にあきらめないって。
そう誓った。


その気持ちは通じてくれていたんだ……。