運命の弄び

私は既に光を失ったそいつの双眸の一つに、
刃を突き立てた。


ざくっ……


……痛い?


ぐりっ


でも私の痛みはこんなものじゃないいぃっっっ!!




……深く刃を突き立てて、一気に『それ』を掻き出した。
ぼとっ……っと後ろの方で丸い何かが落ちた。


空洞と化した五感の一部であるそこからは、
黒い液体が流れ出した。


……汚い色。

あは……あはは……っ、
当たり前よ。
こいつらは私から全てを奪おうとした悪魔だもの。

今までは同じ朱色の液体を出していたけど……。
本質はこっち。


私は残った片方に刃を突き立てた。