物思いに耽りながら、
うとうとしていたらしい。

気が付くと丸テーブルの上に置いてあった自分の携帯電話が、振動で着信を伝えていた。

……ひょっとしたら。

私は一条の確信に至りながら、
何時から鳴っていたか分からない携帯電話を慌てて手に取った。
液晶画面には私の確信を裏付ける名前が表示されていた。

－『瑞沢零二』－。

慌てて着信ボタンを押す。

「もしもしっ、零二っ！？」

『あ……ああ。
ど、どうした？
そんな慌てて……。』

向こうからは驚いてのけ反っているかのような幼なじみの声。
だって、
いつから鳴ってるか分からなかったから、
ひょっとしたら切れちゃうかもしれない、
と思ったらつい、慌てて声が大きくなってしまった。まあ、
切れたら私がかけ直せばいいだけの話なんだけどね。

「ご……ごめんね。
なんでもないの。
それよりもどうかしたの？」

何だか待ち侘びていたみたいな感じで、
照れ臭くなりながらも、
電話越しに話しかけた。
そういえば昨日もこの時間に電話して来たよね。
零二。