昔から、頭は悪かった。


でも、そんな俺の通知表を見ても、ため息もつかない、「ダメじゃん」って呆れない、ただ「頑張れ」って言ってくれる兄貴たちが、嬉しかった。


でも、兄貴は運動もできて頭もいい。


あ。


優兄と空兄は別だけど(笑)


いつしか、自分は、落ちこぼれなんじゃないかって思うようになった。


兄貴は、俺のこと、どう思ってるのかなー、って、邪魔じゃないかな?って思うようになった。


ただでさえ、俺の家には親がいなかった。


昔、交通事故で亡くなったって、兄貴が言ってた。


俺はまだ幼かったから、あまりよく分からなかったけど、ひとつ、覚えてること。


それは、兄貴たちが、夜中泣いていたこと。


葬式の時は、みんな泣かないで、冷静だと思ってた。


でも内心は違ったんだ。


みんな、悲しくて、泣きたかったんだ。


俺は、深夜のリビングで泣いていた兄貴たちのことが忘れられない。


俺は、兄貴たちに迷惑をかけちゃダメなんだ…